転勤族どこで出産するのか問題
転勤族として夫の転勤に帯同しながら生活していると、地元から離れた縁もゆかりもない土地で妊娠出産をするか、地元に里帰り出産するかという選択を迫られることがあるでしょう。
私は第一子を四国でもかなり田舎の奥地で赴任しているときに妊娠しました。
縁もゆかりもなく、夫しか協力者がいない田舎で出産するか、もしくは私の地元に里帰りして出産するのかの2択となりました。
当時はコロナ禍真っ盛りで、里帰り出産を受け入れてくれる病院が少なく、受け入れてくれる病院も自宅待機期間2週間とるように言われ、32週には里帰りするようにお願いされました。
転勤先で一応仕事をしていた私は産休期間に入る前に里帰りをすることは難しく、また普通に両親も現役で働いていますので、里帰りは現実的な選択ではありませんでした。
いろいろ考えた結果、ど田舎で夫婦二人で初めての子供を出産することになりましたが、ど田舎ならではたいへんさがありました。
出産費用はめちゃくちゃ安かった!
都心のほうでは出産に関する費用が高すぎると問題になっているようですが、田舎では本当に安く産むことができました。
妊婦検診ではほぼ自治体からの補助金の金額でおさまりましたし、補助金なしで受けた血液検査で5000円程度を支払ったのが最高額で、ほとんどの検診が支払いが発生しない、もしくは支払っても数百円程度でした。
お産の際も、私はその地域ではお高めのホテルライクな産院で出産しましたが、当時の出産一時金42万円からはみ出した金額は5万円程度でした。
地域で一番安い総合病院で出産した場合、相部屋で平日の昼間に出産できて追加料金が何もかからない場合は38万円程度で済み、むしろお金がかえってくるなんて話も聞きました。
田舎出産のデメリット:家族の協力があるのが前提の世界
田舎出産の最大のデメリットは妊娠出産に関してのサービス等がまったくなく夫以外の家族の手伝いがある前提の世界であるということです。
妊娠中に自治体の助産師さんとお話をする機会がありましたが「地元じゃないので、頼れる家族は夫だけ」という話をすると、すごく驚かれましたし「田舎なのでどうしようもないです」と匙を投げられました(笑)
陣痛タクシーサービス等がない
急な陣痛が来た際は、陣痛タクシー等のサービスを使うのが一般的ではないでしょうか。
残念ながら、私の住んでたど田舎にはそのようなサービスを行っているタクシー会社がありませんでした。かといって、産院が近くにあるわけではなく、一番近い産院で車で30分。
車社会ですので、バス・電車の本数は1時間に1本もなく、バス停や駅が近いわけでもなく公共機関を使うのも不可能です。
自家用車で病院に向かうという選択肢しかないのですが、実際にこの地域の人がどのようにしているのか確認してみると、
まず核家族が少なく、親子2世代以上同居そして年配の女性は専業主婦がほとんどなので、実母や義母が常に家にいる家庭が多いので、補助してくれる家族がいるそうです。
核家族で旦那さんが仕事中に産気づいてしまった場合は、妊婦さん自身が運転して産院に行く人も多いだとか(病院は絶対にやめてといいますが、現実問題としてそうするしかない状況で、暗黙の了解でやっているようです)
私の場合、夫の職場が家からかなり近かったので、何かあった時はすぐに帰ってこれるように段取りしてました。そして破水したタイミングが偶然夫の休日だったので、何事もなく病院まで連れて行ってもらえましたが、田舎の家族の協力がある前提の出産事情は移住者には大変すぎるなと感じました。
ベビーシッター等の保育サービスのない
保育園や幼稚園、学童は辛うじてありますが、ベビーシッター等の業者はありませんでした。
私たちの場合、第一子の出産でしたので問題はなかったのですが、上の子がいる場合は預け先がないので、田舎での出産は不可能だったと思います。
やはり田舎での出産は自助がないとどうにもならないといった印象です。
田舎出産のデメリット:万が一大病院にかかることになると大変
田舎だと普通の産科でも数が少ないです。普通の産科では、ハイリスク出産等の受け入れはしてもらえません。普通の産科でも車で30分の場所にありましたが、もう一段階規模が大きい産科となると車で1時間でした。さらにNICUなどの施設がある病院となると車で2時間。
ハイリスク妊婦さんは通院がとても大変だとききました。仕事をしている人はやめざるを得ないようです。
「万が一出産中にトラブルがあって大病院に移送されることになったら」と考えると都内に比べて生存確率が落ちるんじゃないかなと考えてしまします。
出産方法を選べない
都内では病院の選択肢が多いので「こんなバースプランにしたい」「無痛分娩にしたい」などいろんな希望を叶えることができます。
田舎だと通える産院は限られていますので、選択肢がありません。希望に合う産院がないということも多いでしょう。
特に田舎では無痛分娩の取り扱いがある産院は本当に少ないです。あっても「経産婦のみ」や「平日の昼間に対応できる医師がいる場合だけ」など誰しもができる環境でないことも多いです。
第一子ならなんとかなるかも、それ以降は難しそう
実際に転勤族がど田舎で出産してみて感じたことは「第一子で、健康妊婦で、臨月くらいから夫のサポートが仕事中でも切り上げて受けられる」ような環境であればなんとかなるかも・・・といった感じです。
上の子が小さくて大人の世話が必要な状態、ハイリスク妊婦、旦那さんのサポート状況が万全ではないとなると田舎で核家族が出産するのは難しいと感じました。
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